神社のお手伝い/平成30年

お正月の仕事

突然ですが私は年末年始の雰囲気が大好きです。

いつもは渋滞するような大きな幹線道路もしんと静まり返り、繁華街の騒々しさも1年の中で一番静かになるあの不思議な空間にとても魅了されます。

そんな非日常的な時期だからこそ、そこで忙しくなるような仕事は1年の中で恐らくその数日しか体験できない貴重な経験となる気がしており、お正月にバイトをする事が毎年の恒例になっています。

今回、初めて助勤(じょきん)と言われる神社でのお手伝いを数日してきましたので感想を纏めたいと思います。

募集要項

神社には1年で一番大きなお祭りである「例祭」や正月の「初詣」では、祭祀の準備や参拝者の多さから、人の手がいくらあっても足りないといわれ繁忙期となります。

その為、各神社はHPやSNSを利用してお手伝いを募集する訳ですが多くの神社で巫女さんと助勤(じょきん)を同時に募集する事が多いです。

巫女さんは女性で年齢制限が設けられている場合が多く、助勤は性別関係なく元気があれば大丈夫という場合が殆どです。

実際に私が行った神社では、以下の募集要項となっていました。

【奉仕期間】  平成29年12月31日~平成30年1月11日
【年齢】    18歳以上70歳未満の男女
【通勤時間】  1時間以内の方
【募集人数】  10名
【募集期間】  平成29年11月初旬~定員になり次第
【その他支給】 食事、交通費(1,200円/日まで)


【支給奉仕料/時給】
①955円~1600円(参拝車両・行列整理)
②955円~1000円(授与所受付)
※奉仕料は郵便口座へ振り込みの為、ゆうちょ銀行必須

面接

私の場合、先に電話で募集の空きを確認した後に、参拝がてら直接履歴書を持って渡しに行きました。

当初、書類審査の後に面談となる予定でしたが、渡した履歴書を見る事もなく、そのまま部屋に案内をされて宮司さんと面談になりました。

面談では宮司さんに「分からない事があったら周りの人たちに聞いてくれればいいから」といった実際に手伝う前提で会話をしたような気がします。

寒いけど暖かい格好して作業してね♪

ありがとうございます。(あれ?受かったのかな?)

早起きは得意?

ここは山の上だからね♪

ちょっと早めに来てもらった方が良いと思うよ♪

15分前には作業出来るようにしたいと思います。(受かった?)

色々と質問がありましたが全体で15分程の短い面接だったように思います。

ただ、一番印象に残っているのは
「危険物甲種持ってるんだ。すごいね!」です。

へぇ!危険物の甲種持ってるんだ!仕事?

いや、趣味の一環です♪(あれ?神社検定には興味なさそう。)

実際に私が助勤を行える曜日と時間について、あとは持ち物などの説明があり、宮司さんとの面接が終わり、担当神職さんと少しお話をしたという流れになります。

初日の助勤(1月2日)

助勤初日は1月2日になり、この日は午前9時~17時まで開門となっておりました。

お正月の参拝時間は神社によって大晦日から開けっ放しの場所が多いとされますが、こちらの神社は参拝時間に区切りがあり、1月1日の0時~2時、9時~19時までとなっております。

私は1月2日からでしたので参拝時間9時~17時に合わせてのお手伝いになります。

開始時刻の20分ほど前に神社へ到着し、指定された社務所の一室で着替えを行います。

着替えといいましても外での業務なので暖かい格好をして、貸与される作務を着るといった感じです。

業務内容は交通整備が主体となり、閉門時刻に賽銭の回収と備品の撤去を行いました。

人数は5~7名ほどお手伝いさんがいらっしゃってどうやら皆さん何度か助勤を経験されたことがあるようで、私だけが初見という感じでした。

年齢層は当時私が28歳で皆さん全員年上になります。

中には6,70代近い人もいらっしゃったので古くからこちらの神社で手伝いをされているようでした。

皆さんとお話をしましたがとても優しく、業務内容も一つ一つ丁寧に教えて下さるのでとても居心地のいい空間でした。

「トイレ行く?ここ見てようか?」や「少し椅子に座って休憩しておいで」と親切にして下さるので何だか申し訳なくなってしまったぐらい親切でした。

トイレ行く?ここ見てようか?

少し椅子に座って休憩しておいで♪

寒くない?お茶飲んできてもいいんだよ♪

助勤2日目(1月3日)

助勤2日目の1月3日も9時~17時のお手伝いです。

画像のようにジャケットを着た上から作務を着て、蛍光ベルトを羽織ったような恰好をします。

首からぶら下げているトランシーバーは業務で使用する為、下記に業務内容の詳細を記載します。

助勤

お手伝いした神社は拝殿が山の頂上に位置する為、山麓や中腹には駐車場がいくつか点在しています。

お正月や大祭用の臨時の駐車場が別途設けられるため、大小合わせて10か所近くあったように思います。

私たちの業務内容は、主要な駐車場に1人ずつ配置され、満車状況を確認しつつ、山道を降りる車と登る車がなるべくすれ違わないように時間差で交通誘導をするお手伝いになります。

実際に2日目を通して感じた事は、時間帯によって混雑状況が変化する為、忙しい時は1分おきに車が通っていきますが、それを過ぎると5分毎に1台と忙しさに波があるという点が印象に残りました。

助勤3日目(1月6日)

3日目は翌週の1月6日になります。

このあたりから若干参拝者の数が落ち着いてくる頃のように感じましたが、仕事始めで年始の祈祷の為にお勤めの方が多くいらっしゃる印象でした。

交通誘導の業務は変わずでしたので休憩での内容について記載します。

休憩は皆で一斉に取るという事はなく、30分~45分の時間の中で混雑状況を加味しながら食事をしました。

食事支給となっており、当初はコンビニのお弁当でしたが、3日目から宮司さんの奥様お手製のカレーライスとゴボウサラダを頂きました。

助勤

正直、これはめちゃめちゃ美味しかったです。

自分で食べられる分をよそって盛り付け頂きます。

事前に助勤の方から「助勤は初めてでしたよね?ここのカレーライスすっごく美味しいよ!奥さんの手作りなんだけど抜群!」と言われていたのでちょっと期待していましたがそれを上回りました。

ここの助勤に来てる人はこれが目当てなのでは?と思うくらい皆でカレーライスの話をしていたのでそれが未だに印象に残っています。

巫女さんと助勤とでは業務が全く違う為、同じ臨時の募集でありながら関わる事はありませんが休憩時間が被ると同じテーブルでご飯を食べる事になります。

私も巫女さんと一緒にご飯を食べましたがとても忙しいようで食べ終わって直ぐに授与所へ戻られていました。

恐らく一生に一度しか経験する事が出来ない賽銭回収についてとても貴重な経験が出来たのでこちらに記載したいと思います。

神社に参拝する事が多い方はご存じだと思いますが賽銭に入れられるお金の殆どが硬貨になり、三が日の間は回収するだけでも一苦労です。

特に正月期間中は大きな木枠の中にビニールシートと布を張った特設の賽銭箱が設けられ、参拝時間終了後に布を手繰り寄せて賽銭を一斗缶にまとめます。

布ごと一斗缶に入れるので出し入れがしやすい為だと思いますが相当な重量でした。

30キロか40キロほどあったように感じ、これは重労働だなと日頃トレーニングをしている私でも思いました。

同時に賽銭箱周辺にはお神酒(おみき=お供えするお酒の事)や鏡餅、ミカンを奉納する方もいらっしゃる為、それらの回収も行います。神職の方に聞くと腐ったりしない限り、基本的にお供えして下げた後に食べるそうです。

うろ覚えの記憶ですが何日目かにミカンを数個貰ったので恐らく撤饌(てっせん=神前の供物を下げる事)だったのかなと思っております。

助勤4日目(1月7日)

最終日の4日目は1月7日になります。

夜も遅くまで交通整備をする事が無くなってきたので蛍光ベストは外しております。

助勤

交通誘導に余裕が出てきた事もあり、他の業務も入るようになったのはこの辺りからです。

どんと祭で使用する備品の準備や臨時駐車場の閉鎖業務、境内の清掃も通常は忙しい時間帯の日中に行いました。

助勤に来ていた方と多くお話出来たのもこの日で、個人的に宮司さんの息子さんと神職についての事や業務内容等をお聞きする事が出来たのは貴重な経験となりました。

また、他の助勤の方で神社がお好きな方からは神紋について「五七桐」や「下り藤」について色々と教えて頂きました。

神社を除くだけでもこれだけ多くの事を知れるんだなと感心した瞬間です。

給料明細

場所にもよりますが多くの神社で1時間当たり980~1200円という相場が多いようです。

電車を利用する人は別途、交通費も同時に入金されますが私は徒歩で向かったので交通費はありません。

規模の大きい神社だと時給が高いという事も一概に言えず、どうやら神社ごとによってこの辺りの相場は変わるようです。

給料明細

私の場合、時給が1050円でしたので上記の給料明細となりました。
思ったよりも細かく算定されているのに驚きです。

打ち上げ

後日、担当の神職の方より連絡があり、助勤参加者へ打ち上げのお知らせがありました。

【場所】  神社の広間
【参加費】 2,500円~3,000円
【開催日】 2月中旬
【時刻】  18時~

どうやら毎年行っているようで助勤参加者やその他の関係各位の皆様が集って懇談会を開く習わしがあるようです。

私も参加させて頂き、より神社について多くの事を知る切っ掛けになりました。

これは本当に貴重な経験だと感じています。

特に通常では会えないような方とお会いする事ができ、神社の繋がりの深さを感じました。

最後に

一般的に巫女のバイトはよく聞くと思いますが、助勤となると知っている人は殆どいません。

しかし、助勤も巫女も同時に募集される事からバイトが出来ると思う人は少なく、何をするのか不明な職種だと思います。

ただ、毎年助勤のお手伝いをするリピーターとなる人が多く存在する為、直ぐに募集は埋まるそうですが興味があれば是非体験してみてはいかがでしょうか。

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