【摂津国一宮】坐摩神社(大阪市中央区)

坐摩神社

大阪市中央区久太郎町(きゅうたろうまち)に鎮座する坐摩神社(いかすりじんじゃ)

神功皇后年間に創建されたとされ、三韓討伐より帰還した際に淀川河口の地に坐摩神(いかすりのかみ)を祀り、花を献じたとされます。

坐摩神について古語拾遺(こごじゅうい)によれば、神武天皇が高皇産霊神(たかみむすびのかみ)・天照大神(あまてらすおおかみ)の神勅によって祀ったのが起源とされ、平安時代の宮中に於いて神祇官西院(じんぎかんさいいん)で祀られていた重要な神々です。

重要な神社として延喜式には「攝津國(せっつのくに)西成郡の唯一の大社」として記載があり、摂津国の一宮に住吉大社がありますが、こちらも摂津国一宮を称しています。

近代社格制度では1936年(昭和11年)に官幣中社に列せされ、鎮魂祭(ちんこんさい)や懸鳥祭(けんちょうさい)といった全国的にも珍しい特殊神事が今も斎行されています。

御朱印

御朱印は神紋の「鷺丸(さぎまる)」と「摂津国一宮」が配されています。

御朱印帳

1冊1,500円

広げると坐摩神社の縁起に由来した表紙になります。

鎮座地

〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目 渡辺3号

御祭神

生井神(いくいのかみ)
福井神(さくいのかみ)
綱長井神(つながいのかみ)
波比祇神(はひきのかみ)
阿須波神(あすはのかみ)
※上記5柱を総じて「坐摩神(いかすりのかみ)」と総称

探訪記録

 

三輪鳥居と石標

最上部の反りが特徴的な明神鳥居の両脇に、小さな鳥居を両側に組み合わせた「三輪鳥居(みわとりい)」になります。

別名「三ツ鳥居(みつとりい)」ともいい全国的にも珍しく、何万とある神社の中でも数十社のみがこの三輪鳥居になります。

御祭神:坐摩大神

神名の「いかすり」は、「居処領(いかりし)」または「居所知(いかしり)」から転じたと考えられ、宮所(みやどころ)の守護の神々とされています。

五柱(いつはしら)の神に中でも生井神(いくいのかみ)・福井神(さくいのかみ)・綱長井神(つながいのかみ)は井戸の神々ですが、万葉集に井泉(いせん)を宮殿の象徴とする様がある事から宮所の守護と考えられています。

居所知(いかりし)=居住地を守る

拝殿

坐摩神社の代表的な祭礼に「鎮魂祭(ちんこんさい、みたましずめのまつり)」があります。

通常、宮中で新嘗祭の前日に天皇が行う鎮魂の儀式であり、魂を体内に鎮め、健康を祈る呪法(じゅほう)と考えられています。

祭礼では鎮魂筥(ちんこんばこ)に水晶の玉を結んで、木箱ごと振り動かす事で自身の魂を鎮め、平安と健康長寿を祈願します。※参加の場合は事前に予約が必要

【鎮魂の和訓】
「みたまふり」・「みたましずめ」とも言う

神紋

神紋は「鷺丸(さぎまる)」

シラサギは坐摩神社古来のものとされ、神功皇后が坐摩神から御教えによることからきています。

神功皇后は、摂津国大江の岸の田蓑島(たみののしま=現在の天満橋付近)の松枝にシラサギが群がる場所を選んでお祀りした由緒より神紋に白鷺が描かれています。

末社:陶器神社

毎年7月21日~23日までの3日間、大阪府陶磁器商業協同組合主催でせともの祭りが行われます。

大阪せともの祭りとして廉売会が行われ、茶会や神楽もあるようです。

【概要:せともの祭り】
日付:7月21~23日
時刻:11時~20時
場所:坐摩神社/末社陶器神社
URL:夏祭り坐摩神社

境内末社:稲荷神社

稲荷神(いなりのかみ)を祀る稲荷神社は、五穀を司る御食津神(みけつかみ)であるウカノミタマと同一視される神です。

総本宮を京都に鎮座する伏見稲荷大社として、神道系と仏教系に大別されます。

境内末社

本社とは別に祀られる小規模な神社になり、左側の白いお社から大江神社(おおえじんじゃ)、繊維神社(せんいじんじゃ)、大國主神社(おおくにぬしじんじゃ)、天満神社(てんまんじんじゃ)、相殿神社(あいどのじんじゃ)になります。

神社検定リーフレット

日本文化興隆財団が主催する検定「神社検定

私も毎年受験しておりますがとても興味深く2級からは日本史の知識が必須なので、歴史好きにもおすすめの検定です。

神社本庁の各支部が設置されている神社に紹介用のリーフレットがよく置いてあります。

【各級の概要】
初級-副読本のマンガをベースとしたテキストより出題
3級-「神社のいろは」「神話のおへそ」より出題
2級-「神話のいろは-続-」をベースとして複数のテキストより出題
1級-「神社のいろは要語集 宗教編・祭祀編」をベースとして複数のテキストより出題

大絵馬

左側の「癸卯(みずのとう)」は干支の読みになり、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせて暦を表す方法になります。

十干…甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
十二支…子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥

組合わせには規則があり、十干1文字に十二支1文字を順番に当てはめて、全部で60通りの組み合わせで暦を対応させます。

大阪府神社庁

全国約八万社の神社を管轄する神社本庁の地方機関「大阪府神社庁」は坐摩神社にあります。

47都道府県全てに置かれ、人事財務や人材育成等の業務を行っており、神道の広報窓口にもなっています。

広報誌「瑞垣」

伊勢神宮に関して事務を行っている神宮司庁(じんぐうしちょう)が発行する「瑞垣(みずがき)」

神宮の祭祀や皇室に関する事など幅広く神道について年に3回発行しています。

無料で頂けるのでお近くの神社庁へお尋ねください。

瑞垣について:URL

参照・引用

摂津国一之宮 坐摩神社HP

坐摩神社/Wikipedia

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