神社について
愛知県稲沢市に鎮座する尾張大国霊神社(おわりおおくにたまじんじゃ)
尾張国府の創始時に創建され、尾張国の祭神を集めた総社とされた事から通称「国府宮(こうのみや)」とも呼称されます。
御祭神の尾張大国霊神は、尾張人の祖先が自分たちを養ってくれる土地の霊力を神と崇めたものであり、開拓の神として大国主命と同一視される場合もあります。
毎年旧暦の正月13日から翌朝にかけて行われる「儺追神事(なおいしんじ)」は、儺負人(なおいにん)/神男(しんおとこ)を巡って、ふんどし姿の男たち勇壮な揉み合いとして有名です。
儺追神事は通称「国府宮はだか祭り」として地域住民のみならず、東海地方に知れ渡る大きなお祭りですが、起源も古く、称徳天皇の勅令によって悪疫退散の祈祷が全国の国分寺で行われた神護景雲元年/767年に始まったとされます。
御朱印
右側に配された「尾張総社(おわりそうじゃ)」の文字から、尾張国(おわりのくに)に於いて各神社の祭神を集めて祀った神社ということを表しています。
鎮座地
〒492-8137 愛知県稲沢市国府宮1丁目1−1
JR東海道本線「稲沢」より徒歩15分
名鉄本線「国府宮」より徒歩3分
駐車場…約150台
御祭神
尾張大国霊神(おわりおおくにたまのかみ)
※尾張人の祖先がこの地を開拓する中で自分たちを養う土地の神を崇めたものであり、オオクニヌシノミコトと同一視する説もあります。
探訪記録
大鳥居「尾張総社 國府宮」
左側奥に見えるのが境内になり、手前に石標と扁額(へんがく)が見えます。
石標は「大正3年1月建」とありますので1914年に建立されてから100年以上が経過しております。
国府宮には幾つかの鳥居があり、大鳥居と呼ばれるこちらに掲げられた扁額には「尾張総社 国府宮」とありますが、反対側の扁額には「尾張大國霊神社」をあります。
一番上に架かる笠木(かさぎ)に反りがある明神鳥居になります。
別宮 大御霊神社
別宮である大御霊神社(おおみたまじんじゃ)は、大歳神之御子(おおとしがみのみこ)である大国御魂神(おおくにみたまのかみ)を祭神として祀っている別宮になります。
国府宮駅から東側へ歩いてすぐの場所になります。
楼門
国の重要文化財に指定された楼門になり、下層は室町時代(1336~1573)後期に建築され、上層は江戸時代(1603~1868)の天保3年(1646)に新造されたものとされます。
屋根は板葺きの一種である杮葺き(こけらぶき)となっており、杮板(こけらいた)と呼ばれる椹(さわら)や杉(すぎ)などの薄い板を野地板(のじいた)に葺き重ねる技法になります。
拝殿
右側の横に長い建物は、本を開いて背表紙をそのまま屋根にしたようなデザインの切妻造(きりづまづくり)の拝殿になります。
楼門と同様に拝殿も重要文化財に指定され、江戸時代(1603~1868)前期の建築され、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が圧巻の一言に尽きます。
こちらの拝殿から左右対称に東西の廻廊(かいろう)、祭文殿(さいもんでん)、渡殿(わたどの)、本殿を配置した尾張地方独特の建築様式になります。
真清田神社/愛知県一宮市
津島神社/愛知県津島市
尾張大国霊神社/愛知県稲沢市
大縣神社/愛知県犬山市
田縣神社/愛知県小牧市
高座結御子神社/愛知県名古屋市熱田区
氷上姉子神社/愛知県名古屋市緑区
富部神社/愛知県名古屋市南区
儺追殿
国府宮の代名詞となっている「はだか祭り」は、1か月ほど掛けて行われる儺追神事(なおいしんじ)の1つになります。
この神事では、旧正月の13日に神男(しんおとこ)に触れようと男たちが厄除(やくじょ)の為に群がります。
神男は10日から当日までこの儺追殿に籠って心身を清め、はだか祭り当日は境内で揉みくちゃにされながらも儺追殿に戻りこの日の神事は終了となります。
社務所
頒布品には、はだか祭りでご祈祷された「儺追布(なおいぎれ)」を拝受して頂けます。
儺追布を身に付けたり、目立つところに置いたりする事で、1年の難から逃れられると言われ、愛知県の特に尾張地方では、自転車のハンドルや車のルームミラーに縛っている方をたまに見掛けます。
午前9時~午後4時
六末社
国府宮の境内に鎮座する6つの末社になります。
摂社(せっしゃ)と末社(まっしゃ)を総じて摂末社(せつまっしゃ)と言い、両者に明確な規定はありませんが一般的には摂社が本社と縁の深い神を祀っており、末社はそれ以外の神を祀っている傾向があります。
神明社 天照皇大御神
居森社 素戔嗚尊
白山社 菊理姫命
三女社 田心姫命・瑞津姫命・市杵島姫命
稲荷神社 倉稲魂命
司宮神社 猿田彦神
神田・神饌田
国府宮の北側に位置する神田では水田が広がっていました。
神職の方に聞いた所、6月のお田植え祭から始まり、収穫された米は11月23日の新嘗祭にて奉納されます。
また、神田ではもち米とうるち米の2種類を植えており、毎日行われる御日供祭(おにっくさい)にて収穫された米をお供えするそうです。
別宮 宗形神社
国府宮から東側に鎮座する別宮 宗形神社(むなかたじんじゃ)
祀られている田心姫命(たごりひめのみこと)は、アマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって生まれた五男三女神であり、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と瑞津姫命(たぎつひめのみこと)と併せて宗像大社の御祭神になります。
おにぎり・和菓子「こうじや」
国府宮駅の西側に店舗を構えるおにぎりと和菓子のお店「こうじや」
1972年創業から変わらぬ味で参拝者を迎えてくれます。
シンプルで味わい深いおにぎりや和菓子が手頃な値段で買う事ができます。
コメント